砂漠の王と拾われ花嫁
マハルは部屋に入ると、ハッカの香料の匂いに気づいた。


ベッドを見ると丸くなって眠っている莉世を見つける。


外は日が落ちていた。


マハルは大きく開いている窓を閉めてから名前を呼ぶ。


「姫様、姫様?」


ハッカの匂いはどうやら姫様からだ。


蝋燭で莉世の姿を照らすと左手首の腫れが目に入った。


マハルの声に莉世は眠そうに目をしばたたかせた。


「マハル・・・・」


「その手首はいったいどうなさったのですか!?」


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