砂漠の王と拾われ花嫁
「ぶつけたの そんなにひどくないから」


左手首を体の後ろに隠す。


「そんな事信じられません」


「本当に大丈夫なの」


莉世はベッドから降りると、隣の衣裳部屋に入った。


ピンクのガウンを取り出し、それを着た。


ガウンの袖は長く左手首が隠れる。


衣裳部屋から出るとマハルがおろおろしている。


「そんなに心配しないで」


莉世は笑って見せた。


「姫様、殿下が呼んでおられます」


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