砂漠の王と拾われ花嫁
「リセ、話せ」


頭ごなしに言われて莉世はうつむいたままだ。


「リセ?」


「ぶつけただけだと言いました」


それだけ言って莉世は寝室に入った。





ずきずきと痛む手首を右手で押さえてバルコニーに出る。


出た瞬間、ぶるっと体が震える。


「リセ、何をしている 部屋の中へ戻るんだ 風邪を引く」


すぐ近くにラシッドの声がした。


「お兄様はなんでも頭ごなしに言うのね?」


「リセ?なにを・・・」


ラシッドは訳が分からない顔になった。



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