砂漠の王と拾われ花嫁
まさにアラビアンナイトのような世界。


小さい頃、よく絵本で見ていた世界だ。


なぜ自分はこんな所へ来てしまったのか悩んだ。



何もかもが嫌になった。


だがラシッドの腕に抱きしめられた時、安心感が広がった。


この人の傍にいれば大丈夫。


絶対に悪いようにはされない。


それだけは確信した。


身体がよくなるとたくさんの教師が付けられてこの世界の事を学ばされた。


それは自分を引き取ったラシッドが恥をかかないため。


その為に、莉世は勉強をがんばった。


最初に出会った頃を思い出していると、昼間のタヒール大臣の言葉が思い出された。


殿下が飽きたら奴隷市場に追いやられる。



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