砂漠の王と拾われ花嫁
お兄様がわたしに飽きたら・・・・?


わたしに飽きたら奴隷市場に行かせればいいと思っているの?



カタッ


居間と通じる扉が静かに開いた。


こんなに遅い時間に扉が開いて莉世は驚いて見た。


「お兄様・・・・」


ラシッドが足音もなく莉世に近づく。


影になりラシッドの表情はわからない。


「やはり眠っていなかったのか・・・・」


手を伸ばせば触れられるくらいの所まで来ると呟くような声が聞こえた。


「手首が痛むのか?」


「・・・いいえ・・・大丈夫です」


小さく首を振る。



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