砂漠の王と拾われ花嫁
左手首を隠すように身体の後ろに動かすのを見てラシッドは眉をひそめた。



「少し話をしないか?」


ベッドの中央にちょこんと座った莉世は儚げな印象を受ける。


4年が経ち、莉世は美しい娘になった。


ラシッドは目に入れても痛くないくらい莉世を大事にしていた。


その感情が愛なのかはわからない。


一つだけ分かるものがある。


それは莉世に万が一の事でもあれば全力で助ける。


なぜこのような怪我を?誰にこんなにひどい事をされたのだ?



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