砂漠の王と拾われ花嫁

大臣の思惑

何も聞かれたくない莉世は目を伏せていた。


答えない莉世、彼女は頑固な所があった。


教師達とぶつかる事もしばしばあった。


「リセ?」


「・・・お兄様・・頭が薬のせいで・・ぼんやり・・して・・・」


先ほどマハルに飲まされた薬で急に眠気に襲われた。


このまま眠ってしまえば追求されなくて済む・・・



コトッと枕に頭が付くと栗色の髪がシーツに広がった。



美しい髪の毛に指を絡ませたい衝動が走った。



わたしは何を考えているんだ。



「わかった 眠ると良い」


そう言った時には莉世は眠りに落ちていた。



「薬が効きすぎるのではないか?」


一人呟くと自分の寝室へ戻ったラシッドだった。



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