砂漠の王と拾われ花嫁
小鳥のさえずりに目を覚ました莉世は頭が重いと感じた。


すぐに侍医から処方された薬のせいだとわかった。


起き上がるのも億劫だ。


このままずっと寝ていればお兄様に問いただされなくて済むかも・・・


マハルが顔を覗かせた。


まだベッドに横になっている莉世を見て心配そうな顔になる。


「姫様?お加減がすぐれないのでしょうか?手首は?」


潤んだグリーンの瞳にマハルは気づき聞いた。


「ん・・・薬が効きすぎて眠いわ・・・」


「では今一度、お眠りになってください」


マハルは深くお辞儀をすると部屋を出て行った。



< 89 / 491 >

この作品をシェア

pagetop