砂漠の王と拾われ花嫁
「殿下のご機嫌を伺いに来たのでございます」


「ふん、余計な事を」


ラシッドはクッションには座らずに立ったままだ。


「それは冗談といたしまして・・・我が娘の話は如何なものだろうかと」


タヒールの一番下の娘をラシッドに嫁がせようと考えている。


そのアプローチはその娘が生まれてからすぐに始まった。


「またお前の娘の話か・・・」


「殿下、娘のファティマは殿下にぴったりではないかと」


ラシッドに嫁がせる為に一番下の娘を溺愛し、容姿や教養を磨かせたのだ。



< 92 / 491 >

この作品をシェア

pagetop