砂漠の王と拾われ花嫁
執務室にいたラシッドは先ほどのタヒールの言葉を思い出し苛立っていた。


そんなラシッドを見てアーメッドはいつ自分に怒りの矛先が向けられるかとヒヤヒヤしていた。



それもこれも姫君のせいだ。



あの娘が現れてからラシッド様は変わってしまった。


美姫という美姫と浮名を流し、殿下は奔放な生活を送っていた。


あの娘のせいでそれもなくなり、今では真面目な殿下になってしまった。


自分は毎晩のようにラシッドのおこぼれの美姫をいただく生活だった。


真面目になった為に、自分も真面目な生活を送るようになったのだ。


血気盛んな自分はそんな生活が物足りないとアーメッドは思っていた。



< 98 / 491 >

この作品をシェア

pagetop