ぼくらのSOUND
「…ねえ、ハル兄はなんかやっちゃったの?」
わたしは隣を見てそう言う。
ハル兄って言うのは、わたしのお兄ちゃんで本名は小絢(こはる)なんだ。なんか、女の子みたいな名前だからって、周りは『しょう』と呼ぶように言っているらしい。
「聞いてくれるか、我が妹よ!!」
「あー、なんか聞きたくなくなってきた…」
聞いて聞いてと目を子供みたいにキラキラさせるハル兄。
…妹としてこんなのがお兄ちゃんなのがなんか切なくなってくる…
「竹中くんは休み時間に雑音、またのなを公害と呼ぶ人に悪影響を与える音を出していたので呼んだんだよ。」
本人曰わく『キラキラスマイル』らしい笑みを浮かべてそう言ったのは、わたし達の天敵の久保田先生だった。
やつの笑みは、正直わたしには冷めた目でわたし達を見ているようにしか見えない。



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