三澤斗春と集められた名探偵。
ダイヤは消えません。
……………という話の流れで、今に至る。
「あー……しかも、もう事件は終わってるときたから、テンションはガタ落ちだろ」
そう、三澤の言った通りだ。
事件は、もう終わっていたのだ。
予告の品が、市民会館の大ホールに輸送されて、大勢の探偵がそこに集っり警備にあたる。
宝石の持ち主は、そういう計画を立てた。
それで、三澤達も市民会館に行くことになった。
三澤の事務所から、電車で駅二つ。
そんなに遠くはない。
すぐに着く……はずだった。
そう、三澤が『探偵は特急以外の電車には乗らない生き物だ』とか、妙なことを言い出さなければ。
そして、三澤はバスも拒み。
タクシーで行く程の所持金はなく。
車は、長倉しか持っておらず。
残された手段は『徒歩』だった。
そして、やっとこさ着いた頃には事件は終わっていた。
どう考えても、10対0で三澤が悪い。
自分だけでも電車でくれば良かったと、亜九谷は後で思った。