三澤斗春と集められた名探偵。
「始めに、状況から言いますとホールには、探偵、その助手を含めだいたい100人くらいがいました」
……三澤は、その100人には選ばれなかったわけだ。
「ホールの中央にはダイヤと、その周り2メートルくらいの所をロープで囲っていました。結構、照明が眩しくてダイヤがやたらと輝いてたのを覚えています」
「で、肝腎のダイヤの消え方なんですが、いきなり照明が消えて、すぐに予備電源って言うんですか?それがついた時には消えていました」
……だとしたら、暗闇の中で盗んだということだろうか。
「電気が消えていた時間は?」
「長くて2秒」
それは、いくらなんでも短すぎる。
その時間では、犯行は無理だ。
「なるほどな……今、ホール内は?」
「推理合戦の真っ最中です。ホールから出る為には、入念なボディチェックがいります」
「………お前は何で推理合戦には参加しないんだ?」
「え、まさか疑われてます?いや、今回の事件は面倒くさそうなので、パスしようかなと思いまして……あと、外のマスコミが盗まれたことに気付いて騒ぐ前に出てしまおうかと」
どんだけ、やる気のない探偵だよ。
「そっか」
三澤は、ぽんと手を打った。
そして、告げる。
「さぁ、ヒントをここに置いていきな」