三澤斗春と集められた名探偵。
「と、まぁ。探偵界において、通り名は上流階級の証みたいな物なんだ」
「へぇー、そうなんですか」
亜九谷には、三澤が上流階級だとは考え難かった。
「それで、このホールの中には、名無しもたくさん呼ばれている」
「あ」
何が言いたいのか、分かった。
いくら遠回りしても、結局はそこなのだ。
「なんで、この俺が呼ばれてないんだよっ!!!!」
集められた名探偵に集められなかった名探偵。
その姿は、あまりに不憫だった。