三澤斗春と集められた名探偵。






「…………あれ?」




それは、普通の談笑の途中。
附屋根が声をあげた。




「……斗春。今日は何日だ?」



「あいにく、このところ多忙過ぎて日にち感覚がな」


「何、しれっと嘘ついてるんですか。今日は17日ですよ」



「やっぱりか、忘れてた。斗春達は呼ばれてないのか?





「呼ばれるって、どこに?」





「こないだ、有名な探偵達への挑戦状が届いたろ?」



附屋根は懐から、一枚の紙を取り出した。





そこには、





『今日、おやつの時間あたりに、「ダイヤの泪」を盗みに行きます。快盗ルペーン』



と、書かれていた。





ルペーンと言えば、このところ世間を騒がせている、快盗だ。


自ら怪盗ではなく『快盗』と呼ぶだけあって、中々あっさりと気持ちいい感じに盗んでいく奴だ。


毎回、どこかの探偵がいいとこれまで追い詰めるが、逃げられる。


警察に至っては追い詰めることもできずに、何度も辛酸を嘗めさせられている。




かくいう三澤達も2度程、追い詰めることには成功したが、まだ触れることすらできていなかった。



「ダイヤの泪って、あの数十億円もする馬鹿でかいダイヤですよね!あいつはー……三澤さん!私達も、ひっ捕まえに行きましょう!」




「んー……」



「何、渋ってるんですか!暇だったんでしょ?捕まえたら、金一封くらいでますよ!」




「まぁ……そうだな」





「…………あ。まさか、有名な探偵の一人として、呼ばれなかったことをひがんでるんですか?」




「ちげーよ!そんなんじゃねーよ!有名とか無名とか、どーでもいいし!むしろ無名がいいね!無名探偵の方がカッコイイしね!あー、有名じゃなくて良かった!」




「いや、なんか、可哀相なんですけど……」



「うるせーやい!」





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