Q
「――は!?」
いきなりガラリと態度が変わった彼女に、俺は唖然として立ち止まる。
いきなりなに!?
なんで!?
今、なんつった!?
あやまった!?
え、いきなり!?
俺の頭の中はハテナで埋め尽くされた。
この人学校では女王サマだったよな!?
あまりのキャラ崩壊に、俺は混乱している。
「……な、なに……」
記憶が正しければ、さっきまであんなに偉そうだったはずであって……。
俺に命令とかして来てたわけであって……。
変なスイッチが切りかわったかのような豹変ぶりに、思わず口がポカン。
命令口調はいずこ?
すると、さっきとは全然表情も違う、少し困ったような顔をしているその女の口から、説明が加えられた。
「あぁ、その……学校でのことは、あんまり気にしないで?」
学校の時とはまるで違うその雰囲気に、戸惑いしか生まれない。
「……に、二重人格……?」
「ち、違う違う!あの時のはQ(クイーン)モードだったから……」
Qモード……?
そう説明されても、わけわからん。
欠片も理解できない。
「えっと――…あ、そうか、最初から言わなきゃだよね」
「そうしてくれ」
口に手を当てて考える仕草をする女。
あれなにこのギャップ。
それになに当たり前のこと言ってんだこの人。
この人本当にさっきまで女王様気取ってた奴なのだろうか……?
とにかく説明を待った。