「……」



誰も、何も言わなかった。

絶対ひとりは心ん中でキリストって言葉が浮かんだ!!



「あぁ!聞きました!確かQさまに相談なさった方のひとりだわ」



と言ったのは委員長。



「吹っ切れたら弱気な心も吹っ切れたの。あの時のことは本当に感謝してる」

「俺は特に何も……」

「声かけてくれなかったら、ずっとあのままだったと思う」



そういえば、あの日は雨で、阿部麻里亜は空を眺めてたんだったな。

あの時の顔はなぜだか忘れられない。

俺が声をかけなかったら、あの事件も解決してなかったかもしれないし、雨に打たれて帰って行ったかもしれない。

でもそれももう過去だ。

今はQの秘密を知る仲間なんだから。



「過去はもういい、今はもう過去じゃないから、いんだよ終わったことは。気にするな」

「……要くん……」
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