Q
「結局みんなそこにたどり着くんだろ?梅亜にこだわって俺を見ない」
「……宇崎?」
一度溢れた思いは、止まることを知らない。
「梅亜梅亜、口を開けばみんな俺を梅亜とかぶらせる。俺は梅亜じゃない、俺は要なんだ、歌っていない俺はただの宇崎要なんだよ!」
次から次へと放たれる言葉。
俺の中に眠る俺への嫉妬。
必死になって、自分を認めてもらおうとする。
「梅亜が一生の存在だとしても、宇崎要はただの高校生だ。宇崎要がいらないなら俺は――…」
そこまで言ったところで突然ガチャっと扉が開かれ、その音のした方へ顔を向ける。
そこにいたのは今日この場にはいるはずのない人で、とても馴染みのある顔で。
パチンッ...。
気付けばその人に俺は、ビンタされていた。