「それなら平等に制裁できる生徒を作る必要がある。だから女子生徒から選ぶの。この制度が『Q制度』」



争いを避けるため、女を強い立場に置くという制度だったらしい。

菅原は続ける。



「Qの背後には理事長が付いている。つまり先生すらQには逆らえないの」

「そういう仕組みか」

「選ばれた生徒……つまり今の私は、頂点に立って三年間Qとして学校を守ることが仕事」



ニコリ、菅原は困った顔で笑った。

でもそれは、疲れることだと、俺は思った。



「Qには理事長との約束事が一つだけあるの」



Qが次々と説明に加え、裏話をしていく。

もしかしてこれ、Qしか知らないことだよな?



俺が聞いていい話なのか……?

そして残酷な理事長との約束を、彼女は語る。



「Qでいる時間は誰が相手でも胸を張って、女王様のように威張れって約束されているの」



完全に、裏話をきいてしまっているのだろう、俺は。

だって、彼女が自分の素を見せること自体がもう既に約束違反じゃないのか?

何を考えているんだ、この女。



< 15 / 410 >

この作品をシェア

pagetop