Q
「やぁ」
にこやかにそう挨拶してきたのは昨日俺の腕を引いて菅原の教室まで連れて行った男だった。
「俺昨日の目撃したよ〜」
なんて言いながら中に入ってきた。
たしか……
安西柚
あんざいゆう
「ゆうちゃんいいな〜」
「それでウサギって教えといたんだ」
「ナイス安西!!」
「ナイスじゃねぇ!」
一体俺の扱いはどうなってるんだ、全く。
と、その時だった。
「通行の邪魔よ」
そう凛々しい声が聞こえてきた。
昨日から何度も聞いているその声に、ドクンと心臓がはねた。
直後、クラスの注目が一気に俺ではなく、俺の後ろにいるその方に注がれる。
「ウサギさん?」
「涼歌サマ……」
クラスの奴らが騒ぎ始める。
それに俺も後ろを振り向く。
ニコリ、女王様の笑みを向ける菅原。
「ちょっといいかしら」