Q
「これでしっかり頼める。涼歌を幸せにしてやって。人一倍優しくて、人一倍苦労して、頑張ってた。でもコイツは弱いから、支えになってやって」
「ネコさん……」
まさか、そんなこと言われるなんて思わなかった。
まだ諦めないとか、別れろとか……そう言われるんじゃないかと思ってた。
でも……この人は菅原が幸せになってくれればいいと思ってる。
ただ、それだけなんだ。
もしかしたら、今までずっと見守っていてくれたのかもしれない。
俺に任せていいのか、はっきりさせたかったのかもしれない。
学校で菅原に甘かったのも、ついつい甘やかしてしまっただけかもしれない。
紳士と言うより父親に近い感情だっただけなんだ。
今更気づくなんて……。