俺は電車に乗って以前馴染みのある駅に降りた。

懐かしいなぁ……。


「……あれ、カナちゃん?」


共に、聞き馴染んだ声が聴こえて来た。


「……愛海」


俺は居づらいから転校と共に独り暮らしも始めた。

でも愛海はこっちにいるままなんだよな。


実際、どれくらいの範囲に俺の正体が広まったのかはわからない。

でも、遠すぎてこっちには来てないことは確かだ。


「どうしたの?こっちに来るなんてあの日以来じゃん」

「愛海、マネージャー見てねぇ?」

「……ナイちゃん?」


名井峰香(ないみねか)

マネージャーの名前。
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