歌手も、恋愛も、なんて器用なマネは俺にはムリだ。

絶対片方に傾く自信がある。

俺にも止められなくなる可能性が……。


「歌手さ、遠い未来で復活するかもしれない。今は目の前のことで精一杯なんだ。だからってこのままじゃ、ファンの奴らに悪いと思う」


身近にいるファンや遠くで応援してくれていたファン。

いろんなファンがいる。


「最後に、ファンに梅亜のこれからを、自分の口から伝えたい」


決心したこと。


「……なにをする気……?」


俺はもう大丈夫だ。

逃げたりしなくてもいい。

堂々としていていいんだ。


「顔を公表してもいいと思ってる」
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