Q
「うわ、まさか忘れてたの!?あんなに優しかったのに、看病してくれたのに、忘れてたの!?可哀想!!めちゃくちゃ可哀想!!」
「……はいはい、悪かったよ」
確かに阿部麻里亜のことを忘れてたのは悪かったけど、そこまで言われる筋合いはない!
ったく叶は……。
そんなことを話している間に、実家に着いたじゃないか。
どうする俺?
行くのか?
行かなきゃなのか?
会うのはあれからもう10ヶ月ぶりだ。
「ほら、行くわよ。あたしだって久しぶりなんだから」
こっちに帰ってくるのが怖くて、夏休みですら帰ってこなかった。
誰かに会って、また友達だと思ってたのにって責められるんじゃないかって、そんなガキみたいなことばかり心配して……。
一番心配掛けてしまっていた親に会おうともせずに……。
「ただいまぁ〜」