そしてその視線を俺に移した。



「で、この人は……もしかして今の用心棒さん?」



用心棒のことを知ってる……?

同じ学校か、卒業生か、だとしてもそんなピンポイントで俺の立場がわかるだろうか?

それに同じ学校だったとしたら、菅原のこの態度は……もしかして。



「うん、そうなの。今の用心棒さん。名前はウサギさ……うさ……う…さ……??」

「あーはいはい、名前覚えてないわけね。宇崎要です、濁点はザに付くから」

「そう!それで、ウサギさん」



……結局ウサギしか覚えてないのかよ。



「へぇ〜、そうなんだ?俺は本藤星(ほんどうせい)。涼歌さ、ギャップヤバいっしょ?」



涼歌、そう呼び捨てにしているし。



「あぁ、はい、本当に」



試すような言い方。

俺、この人苦手かもしれない。



「実は俺、去年の用心棒なんだ」



やっぱり、この人が俺の前の用心棒……。
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