「……んあ?」

「もう限界でしょ?」



確かに俺の眠気はもう限界だろう。

というよりすでに30分も寝てしまっている。



「でもそうすると……」



菅原はどうする?

菅原もここで寝るのでは……。



何もないことはわかっているけれど、わかってはいるのだけれど、やっぱり女と一晩過ごすということはまだガキの俺には刺激が強いというか、それだけで緊張するというか……。

これは試練だ、ネコさんの言っていた意味がよくわかった。



「このままじゃ疲れちゃうよ?」

「いや、でも……」



菅原のそんな気遣いも、今の俺にとったらただの試練……。

コイツは何も考えていないのか?

瞼が重くなる、危ない危ない、意識が今にも落ちそうだ。



「ほら、今夜は寝かせねぇっつったし……」

「それなら私が寝なければ済む話ね」



いやいやいやいや、別に期待は一切してないが、それもどうかと……。
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