Q
「今までって……それって前から私のことを知ってたってこと?」
「あ、はい。あれ?知りませんでしたか?Q様なら私の家族構成知ってるはずだから、気付いていたかと思ったのに」
気付くって、なにに?
菅原も口に手を当てて視線をさまよわせる。
「どういうこと?」
「私の姉、樹里亜っていうんですけど……本当に気付きません?」
ジュリア?
俺は全く知らない。
けれどその名前に一致する人物を見つけたような菅原は、パッと俺に顔を向ける。
「なんかネコさんから聞いたことある名前だけど……」
ネコさんから聞いたことあるって言っても、あの人の女子情報の記憶力は尋常じゃないんだろ?
そんなヒントじゃ菅原でも何もわからないだろう。
けれどあっさり、彼女はその答えをくれた。
「私の姉は、涼歌様の一つ前のQですよ」
……それはつまり2年前までのQ!?