忍抄(しのぶ・しょう)
「しの・・・ぶ。大丈夫か?」

 俺ははじめて忍を呼び捨てにした。

 俺の胸は興奮に燃えだした様だ。間近に見る忍の顔。気の強そうな眉に長い睫毛。可愛い鼻と口・・・俺は背をさすっていた手で忍の髪を触った。そして徐々に上に掻き撫でる。髪の匂いを嗅いだ。柔らかく艶のある髪が鼻をくすぐる。甘く野風の様な匂い。

 そして忍の顎を上げさせ・・・俺はその柔らかい唇に口をつけた。

 甘い時間・・・俺の股間は脹れあがり痛いほどズボンを押し上げる。

 だが、忍がしゃくり上げた。
「ううっ!」

 次の瞬間、俺のシャツは忍の吐いたもので汚れた。
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