忍抄(しのぶ・しょう)
 次の一週間は毎日が地獄だった。

 俺は何と言うことをしたのだろう。兄貴の親友だと思っていた男からキスされたなんて。兄には言えないだろうし、忍は傷ついただろう。俺のしたことを軽蔑しているのだろう。
 忍の事を想うたびに心臓がきりきりと痛む。

 恋か?
 少年に?

 男に焦がれてどうするというのだ?その手の小説や雑誌を読んだことはある。男同士でも愛の行為が出来るという。

 しかし、そんなことをすれば忍を失う・・・その兄の親友もだ!

 一週間経った。
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