忍抄(しのぶ・しょう)
 目をそっと開くと足が見える。青いサンダル!

 ベルボトムのぴったりとしたジーンズ。水色の絹のタンクトップ!そして責める様な瞳をしたシバの女王!

「・・・呆れた。もうとっくに帰ったと思ったのに!」
 尊い神仏を見る様な俺を軽蔑の目で見る。忍は俺から目を逸らして横を見て、怒ったように言った。
「今日だけ付き合うよ・・・何を見せてくれるの?」

 俺たちはまた、鳥居家の門の前まで一緒に帰ってきた。
 ラブ・ストーリーの映画を見た後、マックでハンバーガを食べて帰ってきた。
 今日はお互い必要な会話以外はしていない。

 俺は最後のお別れを言おうとした。
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