悪逆の檻
「ところで、このゲームのジャッジは誰がしてるんだろうね」
手品師がカードを配りながら、呟いた。
「監視カメラの向こうの人でしょ?」
「じゃあ、カメラに映らないようにイカサマはできるってことなのかな?」
「・・・そう、なりますね」
辺りを見渡す。
カメラは1つしかない、ようだ。
まぁ、勝敗のジャッジでは、片方の手札が見えているだけでいいから、問題はないが。
だとすると、イカサマは、できる。
手品師が、最後の1枚を配り終える。
「そうなんだよ。イカサマが、ありになるんだよ。こんな風にね」
手品師が笑った。
とても、嫌な笑い方だった。
見下げるような、
見下すような、
見下ろすような。