悪逆の檻
「まだ、情報が少なすぎるから、 何がしたいか見えてこないな」
正直に答えつつ、自分のカードに目をやる。
残ったカードは2枚と1枚。
トランプにしては、わずかに厚みもあり、かすかに重い。
何かしらの、仕掛けがあるのだろう。不正防止なのかもしれない。
「さて、そろそろ終わりか」
2枚の手札を許嫁の前に差し出した。
「さぁ、どっちをとる?」
と、言いながらも、分かっている。
「んーと、こっちかな」
思った通りのカードが抜き取られた。
手元から離れていくカードを見ながら晶は、穏やかに笑った。
「なぁ、楓。 ずっと好
そこまでだった。