悪逆の檻
🖤♠️♣️◆🖤♠️♣️◆🖤♠️♣️◆🖤♠️♣️◆
長い長い、沈黙と静寂の後、愛はどうにか3文字だけを絞り出した。
「ちがう」
テーブルを囲んでいた2人は、無数の塊になり、
1つの血だまりを作っていた。
指先がどうしようもなく震える。
最終結果は、
男が11枚
私が7枚
奏が8枚
だった。
の、はずだった。
しかし、あろうことか、
奏が、私のカードを場に戻していた。
つまり、私の手元の枚数は実際とは違っていて、
実際は、
男が10枚
私が12枚
奏が4枚
だったらしい。
そして、最後の1枚をめくった奏と、震える男は、真っ赤にいなくなった。
同じカードを何枚も見たと勘違いしていたのは、実は本当にそうだったらしい。
極限状態の精神状態を、うまく利用したトリック。
友だちながらに、よく思いついたなと感心する。
あの奏が。
そして、最初から私だけを生かそうとしてくれていたことに気付く。
最後まで友だち想いのあの子。
私は、
私は、
そんな奏を裏切ろうとしてしまった。
私は、自分勝手で、冷酷な人間だ。
堪えられない。
長い長い、沈黙と静寂の後、愛はどうにか3文字だけを絞り出した。
「ちがう」
テーブルを囲んでいた2人は、無数の塊になり、
1つの血だまりを作っていた。
指先がどうしようもなく震える。
最終結果は、
男が11枚
私が7枚
奏が8枚
だった。
の、はずだった。
しかし、あろうことか、
奏が、私のカードを場に戻していた。
つまり、私の手元の枚数は実際とは違っていて、
実際は、
男が10枚
私が12枚
奏が4枚
だったらしい。
そして、最後の1枚をめくった奏と、震える男は、真っ赤にいなくなった。
同じカードを何枚も見たと勘違いしていたのは、実は本当にそうだったらしい。
極限状態の精神状態を、うまく利用したトリック。
友だちながらに、よく思いついたなと感心する。
あの奏が。
そして、最初から私だけを生かそうとしてくれていたことに気付く。
最後まで友だち想いのあの子。
私は、
私は、
そんな奏を裏切ろうとしてしまった。
私は、自分勝手で、冷酷な人間だ。
堪えられない。