bitter love
第一章
―…ピピッ ピピッ ピピッ
携帯のアラームが鳴り響く。
「そろそろ帰らなくちゃ」
彰弥はそう言って隣に寝ている私を抱きしめた。
彼を帰したくなくて、抱きしめかえす手に力が入る。
「またすぐに会えるよ」
彰弥は私の気持ちに気付いたのかそう言った。
体を起こし時計を見ると夜中の2時。
彼はいつもこの時間に私とお別れする。
1時間かけて自分の家に帰るんだ。
明日は日曜日。
彼の仕事は休みにもかかわらず、泊まる事なく家に帰っていく。
なぜなら彼には家庭があるから…