bitter love
美沙の家まで一時間程度。
「お腹空いてない?」
俺はやっと言葉で美沙に投げかけた。
すると美沙は、
「調子が悪いんだよね。今日は帰ってもいい…?」
俺の頭の中は真っ白。
予想外の答えに戸惑った。
「ごめんな…」
俺は美沙に謝った。
しょうちゃんが悪いんじゃないよ。と美沙は笑いながら言ってくれたが、
その笑顔は俺の好きな笑顔じゃないよ。
顔は一生懸命に笑顔を作っているが、
心の中では大声で泣いてるんだろう…
俺は美沙との約束を破った。
もう辛い思いはさせないと、あの日誓ったのに…
もうこんなにも美沙に無理をさせて苦しめ、泣かせている。
俺って最低だな…
その後、会話もなく美沙の家に着いた。
美沙はメリークリスマスと言って、俺に手を振った。