piano
「でさ!さっきの曲なんて名前?俺、気に入った!」
彼はいつの間にか窓から音楽室に入って来ていた。
「え…名前?名前なんてあったかな?ちっちゃい頃に聞いてたからわかんない。」
その言葉を聞くと、相模君は言った。
「じゃあさじゃあさ!俺が勝手に名前付けさせて!いい?いい?」
あまりにも楽しそうに言うから、気がついたらうなずいていた。
「ありがとうー!」
と言い、目をくしゃとさせた満面の笑みであたしの手をとった。
いきなりの行動にびっくりして、なぜか急に体中が暑くなった。
夏なんてまだまだ先なのに、なんでこんなに暑いんだろう?