音楽バカ

「だからさ、吹部の方はどうすんの?」

美音は流すように話を戻した。

「…バレるのは、時間の問題。」

希良がうめいたその時、

「宮路、何で部活でないんだ?」

後ろに一番いてほしくない人が立っていた。

「あ……れれ?!」

希良は椅子を派手にひっくり返しながら立ち上がった。

「ななななんでいるのかな、菅波くん?!」

菅波はぽかんとしながら言った。

「なんでって…俺、クラス一緒…」

「そっかぁぁぁ!!
 身近すぎて気がつかなかったよぅ☆」

明らか不自然。
気持ち悪がりながら菅波は話を続けた。

「…それより、
 お前ぶか「今日は良いお天気だねッ」

「?……あぁ、まぁ。
 それよりも部活「あァァァ!」

「な、なんだ」

「そ、そこに白い服着た女の人がいた!」

「はぁ?!
 やめろ、勘弁してくれッ」

菅波の弱点は幽霊。
わかっている希良の最終手段。
菅波はうろたえている。
これで忘れてくれれば……

「希良、今日の合唱の練習のことなんだけど…」

なんというクリティカルヒット。
こういう時に限ってなんで沙穂子さんが来てしまったのか。

菅波が眉をひそめた。

「合唱…練習?」

もう逃げられない。
素直に話そうとするが、

「あれー、陰険眼鏡くん。
 いたのー?」

沙穂子がつっかかった。

「これはこれは、女の風上にも置けない合唱部部長。」
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