音楽バカ
選考会はステージ上で行われる。客席には5人の選考委員が並んでいる状態。

希良も緊張していたが、さっきほどではない。

「それでは、お願いします。」

選考委員が言った。

息をそろえて歌い出した。



ホールに心地よく響く声、



しびれるようなハーモニー。



弾むようなスタッカートも



なだらかなレガートも



大嫌いな合唱も



今日はできる。



今日は楽しい。



希良は目醒めるように

歌が進むほどに

美しく楽しく

声が響くようになっていく。
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