櫻の咲く頃に
「ごめんね、急に泣いたりして…」




潤んだ目のまま俺を見つめてる。




そんな顔されるとヤバイって。



「何があったか知らないけど…少しびっくりした。」

眼鏡をかけ直し彼女と歩きだす。






「賢斗君。聞いてもいい?」




「何?」




「彼女いるの?」




「何でそんな事聞く…?」



俺の事なんかどうでもいいのに。。。




「ただ興味あるだけ。賢斗君って謎だらけだから。」




「いないよ。でも彼女いるって事にした方が告白されても断りやすいから。」





なぜそんな事を言ったのかわかんないけど……





河村には本当の俺をわかってもらいたかった。





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