。☆゜星空゜☆。
あたしは夕方まで眠っていた。
起きて鏡を見たら、自分の顔にびっくりした。
幸せのカケラさえ残っていないような自分の顔。
そう、あたしは夢を見てただけ。これが現実。
昨日の悪夢が夢であったら……。
そう少しでも思っている自分が、すごくバカらしく思えた。
そう、これがあたし。
幸せこそが夢だったんだ……。
そう思いあたしはピッチを手に取り、久々にワルたちに電話をかけた。
「もしもし?流奈だけど」
「流奈ぁ~?マジなにしてたんだよ~!集会すら顔出ねぇし。ウチらまた単車増えたんだよ!来ればぁ~?」
「マジで?なんの単車?」
「GSだよ!流奈が乗りたがってた」
「手に入ったの?マジ行くよ~」
「おいでよ~、ってか、足あんの?」
「あっ!ないかも……」
「えっ?流奈が乗ってたヤツは?」
「もう足洗おうと後輩にあげたよ」
「バカじゃん!」
「まぁまぁ。いいから迎え来てよぉ~」
「わかったよ。じゃあ、いまからみんなで行くよ!」
「ソッコーね!!」
「あい!じゃあね」
電話を切り仕度をした。
翼、これがあたしの本当の姿なんだよ。
翼と一緒にいたあたしは本当のあたしじゃない。
そう自分に言い聞かせていた。
しばらくすると、単車を吹かす音が鳴り響いた。
あたしはヤン服を着て、鏡の前で紫の口紅を塗り、玄関でサンダルを履いた。
爆音が家の前で鳴り響く。
そのとき母親があたしを呼んだ。