。☆゜星空゜☆。
「これは翼くんの痛みの一部……」
そして、もう一度あたしをひっぱたいた。
「これは親友としてのあたしの、痛みの一部……」
理恵は泣いていた。
「こんなもんじゃないよ?あたしと翼くんの痛み」
「なんなの!?なにもわかってないくせに!なにも知らないくせに!わかったようなこと言わないでよ!好きでもどうにもならないことだってあんだよ!!」
あたしはその場に泣き崩れた。
理恵はあたしを抱きしめてくれた。
「流奈?知ってるよ。あたし、ぜんぶ知ってる……。だからもうやめてよ。自分を大切にして」
「理恵……」
「なにも言わないくていいから……。だから、お願いだから翼くんといたときの流奈に戻ってよ」
理恵も一緒になって、ふたりで泣き崩れた。
「理恵……、でもね、これはあたしが歩んできた道なんだよ。罰が当たったの。初めから翼にはふさわしくないんだよ。だから、もうこれでいいの、いいんだよ」
あたしは泣きながら理恵に話した。
「それじゃ、翼くんの気持ちはどうなるの?翼くん、流奈がいなくなってから仕事にも行ってない。抜け殻のようになっちゃってるんだよ。あんな翼くん、あたしはもう見てられないよ」
「理恵……」
「流奈の気持ちはわかるよ。流奈のことだから、汚れた自分が翼くんにふさわしくないって思ってるんでしょ?でも違う。それは違うよ。流奈、間違ってる」
自分だけがつらい。
そう思っていた。
どうしてあたしだけ……。
そう思っていた。
あたしは逃げていたんだ、現実から。
「翼くんだけだよ、流奈を受け止められるの。あんな人は二度と現れないよ。流奈、お願い、もうやめよう。もう忘れよう?幸せな流奈の顔が見たい……」
どうしてここまで理恵があたしのためにしてくれるのか、わからなかった。
あたしはこんな近くに大切なものがあることさえ見失っていた。
涙があふれた。
理恵の愛に、こんなあたしを見捨てなかった理恵の愛に。