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「理恵……、ありがとう。ごめんね……」
ぐちゃぐちゃになったあたしの顔を見て理恵は笑った。
「マジ、流奈ぶさいく~」
「うるさいよ!理恵だってすごいことになってるよ」
「ってゆーか、流奈のその化粧、久々に見たよ。翼くんといたときと全然違うじゃん!そんなメイクで逢いに行ったら、ひくよ絶対」
「うるさい~!」
「だって唇が紫だよ?チューしたくないじゃん!」
理恵と笑い合えてすごくうれしかった。
こんなに思ってくれる人が、こんな近くにいたんだ。
あたしの中で一気になにかが変わっていた。
「あたしさ、自分を責めたよ。流奈のことをヤツらに問い詰めたんだ。聞いたとき、一瞬どうしていいかわからなくて……。流奈がどんな気持ちでいるかって考えたら、なにもできない自分に腹立った」
「ありがとね。でも、流奈は理恵に救われたよ。結構、平手は効いたけど」
「本当ごめんね。でも流奈なら、あたしになんでも言ってくれると思ってたから。ひとりで暴走しはじめた流奈がムカついてさ」
「うれしかったよ、本当にうれしかった……」
「言っておくけど、あたしは同情なんてしているわけじゃないから」
「ありがとう……」
理恵の優しさに心打たれた。
“同情なんてしてるわけじゃないから”
理恵の言葉がすごく心に響いた。
おもいっきり背中を押された気がした。
近くにありすぎて見失っていた大切な大切なもの。
あたし、忘れかけていたんだ。