。☆゜星空゜☆。
「理恵!翼に逢ってくる!」
「よし!それでこそ流奈!でも本当のことを言う言わないは自分でよく考えな」
「わかってる……」
「大丈夫だよ!翼くんなら、どんな流奈でも受け止めてくれるから」
どんなあたしでもーーーー。
「うん!」
「あっ、でも待って!その顔じゃ、受け止められるものも受け止められないかもしれない」
「本当ウザイ、理恵」
「いやいや、マジだから。家帰って化粧直してから逢いに行きな」
「わかったってば。言われなくてもそうするよ」
「じゃあ、あたしは帰るから。なんかあったら、また連絡してよ」
「理恵、本当にありがとね」
「べつに流奈のためじゃないし。翼くんのつらそうな姿に心動かされただけだから」
理恵の素直じゃない言葉が温かかった。
「マジでねむぅ~。帰って寝るわ!」
そう言って手を振り、帰って行った。
理恵は何時間あたしの帰りを待っていたのだろう。
こんなあたしのために。
理恵の後ろ姿を見て、あたしは何度も何度も心の中で「ありがとう」と繰りかえした。
あのとき、理恵があたしを救ってくれたから、また翼との幸せを感じることができたんだ。
理恵があたしの背中を押してくれたから、あたしはまた翼の元へ帰ることができた。
でも、あのときもっと早く翼に自分の気持ちを打ち明けることができていたのなら、なにかが変わっていたのかな。
翼があたしのそばから本当にいなくなることもなかったのかな・・・・・・。
あたしは家に戻って、すぐシャワーを浴びた。
そして、いつもより念入りに化粧をした。
翼に逢いたい……。
もうそれしか頭になかった。
ピッチを持って、翼に電話しようとしていた。
でもなんて言えばいいのか。
今さら翼になんて言えばいいんだろう。
そんなことを思いながらも、あたしは翼の番号を出し、通話ボタンを押していた。