。☆゜星空゜☆。


「流奈ね……」


それからずっと言葉は出てこなかった。


すると、翼が遠くを見つめながら、先に口を開いた。


「流奈……。俺は流奈のことはなんでも知りたいって思う。でも、それが流奈を苦しめるなら、俺は聞かない……」

「うん……」

「でも、ひとつだけ頭に入れておいてくれる?」

「うん」

「俺はどんなことを聞かされても、流奈のすべてを受け止めるから。絶対、嫌いになったりしないから」

「う……ん……」


涙が止まらなかった。


「でも、やっぱり流奈が苦しいとき、つらいとき、悲しいときは、一緒に俺にも分けてほしいっていうのが正直な気持ちかな」


翼と見ると、不安そうな顔をしていた。


あたしが翼を見ているのに気がつくと、翼は微笑みながら頭をなでてくれた。


翼の大きな手で。


「流奈?笑顔!笑顔」

「えっ?」

「笑顔!!流奈の笑った顔が好きだよ!」

「うん……」

「暗い顔をしてると幸せはやってこないんだって。だから笑うんだよ。なっ?」


あたしが顔を上げて翼を見ると、翼が変な顔をしていた。


「ハハハ♪翼、ちょ~不細工だよ~、なにその顔~!」


あたしの笑う顔を真剣な顔で翼は見ていた。


「ん?」

「もう流奈の笑顔、見られないのかと思ってたよ……」


翼が突然、悲しそうな顔をした。


「俺……、怖かった。本当に戻ってこなかったら……って、ずっと考えて。でも、どうしたらいいかわからなかった」


いつも励ましてくれる翼が弱音を吐いた。


「翼、ごめんね、本当にごめんなさい……」

「もう……、やだからな……。流奈のいない日なんていらねぇよ」

「うん……。流奈もだよ」


あたしはひどい女。


自分だけがつらければ、それでいいと思っていた。


翼の気持ちを考えて「嫌われればいい」って。


でも、それは逆に翼を傷つけただけで。


自分だけがつらい、どうしてあたしだけ?そう思っていた。





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