。☆゜星空゜☆。
.:*思い出作り*:.
「ただいまぁ~!」
翼が元気よく家に入っていく姿を見て、あたしも、「ただいまぁ~」と真似をした。
「流奈♪♪おかえり」
あたしたちは2階に上がった。
いつも上っていた階段がすごく懐かしかった。
翼が部屋の前で振り返って両手を広げていた。
あたしは思いっきり胸に飛び込んだ。
「流奈、愛してるよ」
「ありがとう」
「流奈は!?」
「流奈も愛してる」
部屋の前でKISSをした。
そこにお兄ちゃんが上がってきた。
「おいおい!相変わらずだなぁ~?お前と流奈は。なんでそんな、いつまで経ってもラブラブなわけ?」
「ってか、うるせ~よ!兄貴、なにしに来たんだよ!」
「いやね、流奈の姿、最近見かけなかったから、なにかあったのかなと思って。翼は機嫌わりぃから聞けねぇし。でも、流奈の声が聞こえたから、久々だと思って顔出しただけだよ」
「あっ、そう」
「『あっ、そう』って、なんだよ!まぁ、仲いいならよかった。にしても、翼にはやっぱりもったいね~よ」
「マジうるせーよ!向こう行けよ!」
「はいはい!部屋の前でいちゃつかないで、部屋入りな」
「ったく、うるせ~んだからよ~」
翼のお兄ちゃんは20歳で、初めて会ったときは正直、「怖そう……」が第一印象だった。
でも実は優しくて、あたしを本当の妹みたいにかわいがってくれていた。
翼とはしょうっちゅう口ゲンカ炸裂だったけど、それでも普段はすごく仲がよくて羨ましいくらいだった。
翼が仕事のときなんかは、内緒で小さい頃の写真を見せてくれたり、
翼のひどい「過去」を聞かせてくれた。
あたしの中でも“お兄ちゃん”的存在だったんだ。
だからお兄ちゃんになら、直な気持ちをなんでも言えた。