。☆゜星空゜☆。
「翼……?聞いてくれる?」
翼はしばらく黙ったまま、ただあたしを抱く力が強くなっていった。
その力が翼の不安を表していた。
「……うん。大丈夫か?」
なにかを察知したかのような翼の言葉が、すごくつらくて涙が出てきた。
「流奈ね……、あの日カメラがきれてたから、翼との電話を切ったあとにね……、コンビニに行ったんだ」
翼は黙ったまま、あたしの話を聞いていた。
あたしは翼の顔を見ることができなかった。
「でね、その帰りにね……」
涙で言葉が出てこなくて、沈黙が続いた。
「流奈……」
「流奈……、男たちにーーー犯されたの」
「……っ!!くっそっ」
翼は部屋の壁を思いっきり殴った。
「なんでだよ……、なんで流奈なんだよ……」
翼はあたしを抱いて泣き崩れた。
「流……奈……ごめん。思い出させて、ごめんね……。怖い思いさせてごめんな」
あたしは首を横に振った。
「翼、ごめんね。翼だけの流奈でいたかったのに。流奈、汚れちゃったよ……、ごめんね」
「流奈、ごめん……。もういい。なにも言わなくていいから……」
あたしは力が抜け、その場に座り込んだ。
翼の泣き崩れた姿を呆然を見ていることしかできなかった。
「なぁ……流奈……?」
しっかり聞かないと、聞こえないくらいの声で翼は言った。
「なに??」
なにが正しくて、なにが間違っているのかわからなかった。
翼の泣き崩れる姿を見て、言ったことを少し後悔した。
でも、戻ってきたからには隠してはいられなかった。
「流奈、話してくれて、ありがとう」
翼はあたしを抱きしめながら頭をなでてくれた。
「翼?流奈は大丈夫だから泣かないで」
「流奈が大丈夫だって言うときは大丈夫じゃ……」
「大丈夫だから!!」
あたしは翼に負けない声で言った。