。☆゜星空゜☆。
翼を連絡が取れたあたしは、すっかりご機嫌で、翼の電話から30分が経った11時を過ぎた頃には駐車場で待っていた。
車のライトが見えるたび、翼かなって期待して。
でも、翼は電話から1時間経っても戻ってはこなかった。
なにやってるんだろ……、おかしいな。
もう一度、翼に電話をしてみた。
トゥルルルルーーートゥルルルーーー。
また、不安にさせる長いコールを聞きながら、あたしは部屋に戻り、何度も何度も翼に電話をかけ続けた。
あたしは途方に暮れ、ピッチを見つめては翼の帰りを待っていた。
翼の最後の電話から2時間ちょっと経った頃、部屋のドアがノックされたので、あたしは急いでドアを開けた。
そこにはお兄ちゃんの姿があった。
「……流奈ちゃん」
お兄ちゃんは不安そうなあたしに微笑みかけて言った。
「翼が待ってるから……、一緒に行こう……」
優しい笑顔で微笑んでいた。
あたしは意味が分からなかった。
本当意味がわからなかった……。
「翼はさっき『いまから帰る』って言ってたから」
「流奈ちゃん、翼が待ってるんだよ」
不思議そうな顔をしていると、頭を優しくなでられた。
「ごめんな……本当にごめんな……、流奈ちゃん」
そう言うと、ドアの前で泣き崩れた。
そのとき初めて嫌な予感がした。
「翼は?なんで帰ってこないの?」
「流奈ちゃん、一緒に行こうね」
お兄ちゃんは、それ以上なにも言わず涙を拭きながら、あたしの手を引っ張って階段を降り、外に出て車のエンジンをかけた。
あたしは黙って助手席に座った。
お兄ちゃんも黙ったまま、目に涙を浮かべ運転をしていた。
“翼が待ってる”
なんで?翼は帰ってくるって言ったのに。
普通ではないお兄ちゃんの様子にすごく不安を感じた。