。☆゜星空゜☆。
「翼は死んだんだよ!!もう帰ってこないんだよ!」
あたしの顔を見て、そう怒鳴った。
「だから……、流奈ちゃん……、翼に逢ってあげて」
なにがなんだか、あたしにはよくわからなかった。
さっきのひどい顔していたのが翼……?
あそこに寝ていたのが翼なの?
わけがわからなかった。
あたしはお兄ちゃんに連れられて、さっきの部屋に戻った。
さっきと全く同じ景色。
あたしは翼のもとに近寄り、座りこんだ。
翼の右手を見ると、薬指にはあたしと同じペアリングがあった。
その瞬間、あたしは初めて現実にさらされた。
「ねぇ、翼?起きてよ……。帰ろう?こんなところじゃなくて家に帰って寝よう。ねぇ!翼、答えてよ……。翼ってば!」
「流奈ちゃん!!!」
お兄ちゃんが泣きながら、あたしの声をかき消した。
「翼はもう起きないよ……」
「お兄ちゃん、なに言ってんの?おかしいよ」
あたしが翼を抱き起こそうとすると、お兄ちゃんに止められた。
「流奈ちゃん、ごめんね……。本当にごめんね……」
意味がわからなかった。
あたしの後ろで先生たちが泣いていることに気づいた。
「翼は幸せそうだったよ。流奈ちゃんと出逢って」
と言って泣き崩れたお兄ちゃんを見て、あたしも初めて泣き崩れた。
どうして?なんで翼なの?なんで起きてくれないの?
翼はひどく変わりはて、冷たかった。
さっきまで一緒に寝ていたのに……。
さっきまで翼は温かかったよね?
なのに、なんでこんなに冷たいの?
夢だって、そう思いたかった。
目の前で起きている現実があまりにも残酷すぎて、あたしは立つ気力すらなかった。
それでも目の前にいる翼に、あたしは狂ったように話しかけ続けた。