。☆゜星空゜☆。


「翼?今日、今年最後の海に行くんだよね?」

「検討中だった明日の予定はもう決めた?」

「あっ、そうだ。あの夜景のきれいな公園に来年も行って、また名前彫ろうよ」

「あとさぁ、いい加減、X'masの飾りつけは片づけるよ?今年が終わっちゃうから。また来年もやるからさ」

「パジャマ持ってくる?そんな姿じゃ、嫌でしょ?」


あたしはひたすら、ひたすら翼い話しかけつづけた。



「流奈ちゃん……」


お兄ちゃんが、あたしを抱きしめてくれた。


あたしは涙を拭いて、お兄ちゃんに微笑んで離れた。


翼があたしに電話で言った最後の約束……。


「流奈、約束守るよ。翼、ずっと笑っているからね」


翼の顔を触りながら言った。


お兄ちゃんは、あたしにすがりつき、声を出して泣いた。





1995年12月30日

12時32分


享年19ーーーー。




翼はこの世からいなくなった。


あたしを残して、翼はいなくなった……。


翼と過ごした幸せな日々が一瞬でなくなった。


そう、すべてはあたしのせい。


あたしのせいで翼は死んじゃったんだ。


たった18年間の短い、短い命。


ねぇ?これが運命なの?


初めから決まっていたことなの?


そんな運命ならいらなかったよ……。


あたしと出逢ったことで翼がこの世からいなくなるなら、いらなかったのに……。




それからあたしは部屋の外に座り込んで、お兄ちゃんと先生が話している姿を見つめていた。



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