。☆゜星空゜☆。


手紙を握りしめたまま、泣き続けた。


怖かった……。


手紙を開けることが。


すべてを受け止めなきゃいけない気がして、すごく怖かった。


翼がこの手紙をどんな気持ちで書いたのか、あたしのことを想ってくれていた証のこの手紙を。


あたしは翼の部屋でひとり手紙を持って、ただ泣くしかなかった。


翼?あたしの大好きな翼?


どうしてこんなことになっちゃったんだろう。


あたしが真実を告げなければ、翼はあたしのそばにずっといてくれた……?


あの日、翼を待ち切れずコンビニに行かなければ、ずっとあたしのそばにいたんだね。


あの日、あたしが公園に行かなければ、翼はまだ普通の生活をして、こんなに早く人生を終わらせることなんて、なかったんだよね。


あたしに出逢わなければ、翼はいまでもこの部屋にいた。


あんなにもお兄ちゃんを泣かせることも、なかったんだね。


翼、ごめんね。


あたしに出逢ったばかりに。


ごめんね。


あたしは泣きながら、手紙の封を開けた。



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